公爵と侯爵の違いって?どちらもこうしゃく?貴族階級の序列まとめ

貴族階級の序列・公爵侯爵・辺境伯 その他

なろう小説では目にしない作品の方が少ないのでは?と思うくらい頻出モチーフとなる、ヨーロッパ貴族。「公爵令嬢」のヒロインが「男爵令嬢」に婚約者の「王太子」を奪われて婚約破棄……!という展開を見たことがある方も多いのではないでしょうか?
しかし、貴族階級の爵位は何種類あってどんな序列なのかをしっかりわかる人は意外と少ないかも。

今回は、web小説でもおなじみ、西洋ヨーロッパ貴族の爵位の名称や序列を解説します。

ヨーロッパの貴族階級は非常に多様であり、各国において独自の爵位や序列が存在します。今回は一般的な序列についてはお伝えしますが、国によって異なることがあるため一般的な指針としてご理解いただければと思います。

一般的なヨーロッパの貴族階級序列の例

  1. 国王(King)または女王(Queen): 国の最高指導者であり、貴族の頂点。
  2. 公爵(Duke): 国内で最も高位の爵位で、多くの広大な領地を統治し、その下に侯爵や伯爵を持つことがあります。
  3. 侯爵(MarquessまたはMarquis): 公爵に次ぐ高位の爵位で、主に国境地域の防衛や統治に従事します。
  4. 伯爵(CountまたはEarl): 侯爵の下に位置し、一般的に特定の地域を統治します。
  5. 子爵(Viscount): 伯爵に次ぐ爵位で、地方統治に従事することがあります。
  6. 男爵(Baron): 最も低い貴族の爵位で、通常は一部の土地や領地を所有します。

公侯伯子男(こうこうはくしだん)と覚えると覚えやすいです。

公爵と侯爵の違いは?なぜ同じ読み?

公爵(こうしゃく)と侯爵(こうしゃく)は日本語ではいずれも「こうしゃく」と読みます。読みが同じなのでわかりづらいですね。

役割の違い

公爵は、侯爵よりも一層高い位に位置し、通常は広大な領地を統治し、より多くの貴族や下位の爵位を監督する権限を持ちます。公爵は国王に次ぐ地位を持つことが多く、王室との関係が深いことが特徴です。(小説内でもよく出てくる高位令嬢は公爵令嬢だったりしますね)

一方、侯爵も高位の爵位ですが、公爵ほどの広大な領地を持たず、主に地方統治や軍事指導に従事することが多いです。

なぜ同じ読み方なの?

日本語の爵位は、古代中国から継承されて名づけられたと言われています。そのため、日本語の音読みとしては同じ「こうしゃく」ですが、元の中国語の発音ではそもそも違うものだったようです。外来語や他言語から導入された言葉を、日本語の音や発音に合わせて表記する際に、結果的に同じ読み方になったそうです。
ですので、音読みの読み方は同じですが、序列としての役割は全く違うものだということに注意が必要です。

辺境伯って何?

辺境伯とは

なろう小説を読んでいると、たまに「辺境伯」というキャラクターが出てきませんか?そして場合によっては、何も知らないキャラが「どうせ伯爵なんだろ!」などと言って挑発しては「バカ!お前、辺境伯ってのは侯爵相当なんだよ!」などというシーンを見たことはないでしょうか?

さて、「辺境伯(Margrave)」は、ヨーロッパの貴族階級における特定の爵位の一つです。辺境伯の称号は、国境地帯や辺境地域を守るために設けられた爵位で、その名前からも分かるように、特に国境地域を統治し、防衛の責務を担います。国境地域において、敵対的な侵略や外部の脅威から国を守るために、軍事的な能力が求められます。

辺境伯の地位は、伯爵以上侯爵以下とされることが多いです。国境地域の安全と国の領土保全に尽力した辺境伯に対して、伯爵以上に特別な権限や称号が与えられました。

辺土伯とは

「辺土伯(へんどはく)」という言葉が気になった方、ずばり「ティアムーン帝国物語 ~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~」の読者でしょう。
作中に登場する「ルドルフォン辺土伯」ですが、この爵位「辺土伯」は作者の餅月望さんが創った造語です。歴史的なものではありません。

辺境伯は地位的には伯爵より上の侯の扱いに近いですが、辺土伯は本文の文脈では中央貴族から田舎者、辺土貴族と嘲りを受けているので伯爵よりも下とみなされているようです。

現在も貴族っているの?

なんと、現代にも公爵や侯爵の称号を持つ貴族がヨーロッパには存在しています。イギリス王室が有名ですね。それ以外の国の王室も調べるとたくさん出てきます。

ただし、彼らの役割はなろう小説のように国を統治したりすることではなく、主に象徴的な地位としての意味が強まっています。日本でいうところの天皇のようなイメージです。どちらかというと由緒正しき御家柄の歴史に由来しており、名誉的な意味合いが強いのが爵位になります。

ちなみに、辺境伯の称号は現代には存在しない場合が多いです。(防衛のためっていう文脈が今日ではあまりないからかな)

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